2007年09月13日
電子が干渉する?(ブツブツ島のたとえの解説)
前号で、波動性と粒子性をともに持つというのはどういうことなのかという
ことを、たとえ話で説明しました。
旧来の「波動」「粒子」という概念をあてはめてはいけない。
新しい概念「量子」なんだ!と考えなくてはいけないということでした。
そこまでは分かったとして、では、いったい「量子」とは、どういうもの
なのでしょうか?
粒子のように、他の物質と衝突し、運動量を持つ存在でありながら、
波動のように、干渉して強め合ったり弱めあったりする。。。。
そんなものを、どのようにしてイメージしたらよいのでしょうか。
ここでは、「量子」の代表として「電子」を取り上げて、イメージして
みます。
まず、板とスクリーンを用意し、平行に置きます。
板には、2本のほそいすき間(スリット)があります。
スリットの向こう側には、スクリーンが置いてあります。
これは、まさに「ヤングの干渉実験」の設定と同じです。
ここに光を入射させたら、右のスリットから広がる波と、左のスリットから
広がる波とが干渉して、スクリーン上に干渉縞が現れます。
では、電子の場合はどうなると思いますか?
スリットのあたりをめがけて、電子を1発ずつ、打ち込みます。
電子は、どちらかのスリットを通過し、スクリーンに到達します。
スクリーンには、「ボス!」っと跡がつくとしましょう。
電子を次々に打ち込んでいくと、「ボス! ボス! ボスボス!」
と、スクリーンに跡がついていきます。
ここまでは、すき間にパチンコ玉を打ち込んだのと同じように
見えます。
ところが、大量の電子を打ち込んでいくと、不思議な光景に出会います。
スクリーン上に、干渉縞が現れるのです。
電子が到達した跡がたくさんついているところ(強め合っているところ)と、
電子がほとんど到達しないところ(弱めあっているところ)が現れ、
電子が到達した跡は、縞模様を作ります。
波動における干渉条件の式
(スリットからの距離の差)=(整数)×(波長)
という式に当てはめて、波長を計算してみると、
(波長)=(プランク定数)/(電子の質量 ・ 電子の速さ)
λ=h/mv
という関係が成り立ちます。
このようにして決まる波長を、ド・ブロイ波(物質波)と言います。
「粒子なのに、なぜ、そんなことが起こるのか?」
と思ってしまった人
「普通の粒子じゃないんです。『量子』なんです。」
新しいものに出会ったら、いろいろと調べて、新鮮な気持ちで、
「ふーん、そうなんだ。」
と、その性質を認めてあげてくださいね。


